お祭り騒ぎ
はい、回転盤が回り始めましたね!
次の整備の時間まで、どなたが多く勝つことができるのでしょうか?
楽しみですね。
次に参ります桟敷は、ええと、
長曾我部様、毛利様がおられる桟敷ですね。
確かお二方は別に同盟関係……もやっぱり無かったですよね。
というか争っておられましたね。
早くも心が折れそうですが、頑張りましょう。
○ ○ ○
こんにちは。
お初にお目にかかります、
と申します。
よろしくお願いします。
お、司会のお嬢ちゃん。
よく来てくれたな!
ふん……
おい、このお嬢ちゃんが悪い訳じゃねえだろうが。
いい加減にしろよ。
ならば松永に伝えよ。
規則に先見の巫女の力を借りてはならぬ、と書いておけと。
……申し訳ありません。
ズルしてたんだから、諦めねぇとな。
で、何か用か?
あ、そうでした。
本日はお越しくださいまして、ありがとうございます。
上様からいくつか質問を預かっておりますので、
どうぞご意見をお聞かせください。
Q1:本日お越しいただいた一番の目的は?
A1:やっぱり金だな。
からくり作るのに毎回莫大な金がかかってんだ。
我は将軍の顔を拝みに来ただけだ。
Q2:楽しんでいただけていますか?
A2:まあな!
こんなでかい賭場なんて、他にねぇしよ。
……。
こいつぁいつでもこんな面してるから、気にすんな。
Q3:本日の目標は?
A3:俺はやっぱり、次の船の足しになるくらいには……
と思ったが、負けねぇくらいなら何でも良いや。
楽しけりゃ。
貴様に教える義理など無い。
Q4:この祭に一つ手を加えるなら、どのような部分ですか?
A4:そうさなあ……酒が足りねぇな。
美味いんだけどな。
そなたは何故そのような役目を負うておる。
え、私ですか?
私はただ……くじ運が悪かったんですね。
上様の御所で働いておりましたが、
風魔様と二人でお話を伺う役目をくじでひきまして。
大当たりだったってか?
大はずれでした。
あはははははは!
そりゃそうだな!
……確かに何か心得があるようには見えぬな。
風魔の無駄遣いのようにも思われるが。
松永様のご意向ですので、詳しいことはちょっと……。
風魔様のお姿は今は見えませんが、
一人では心細いので助かっております。
さて、最後に松永様から一つ質問をお預かりしております。
Q5:毛利様は瀬戸内の桟敷ではなく、
大友様の桟敷にお席をご用意したほうが良かったか?
A5:……。
すみません、皆様の神経を逆撫でするような質問ばかりなのですが、
なにぶんお伝えしないと私の首も危ういもので……。
A5:まあ、仕方ねぇだろ。
で、どうなんだよ。
我は我だ。
瀬戸内を掌握するのは我だ。
故にここに……。
Q5:サンデー毛利様?
A5:く……っ!
別に行ってくれたら良いんだけどよ。
遠慮すんなって。
お、勝った勝った!
よっしゃ、ついてるぜぇっ!!
……すみません。
では、次の場所へ参りますのでこの辺で失礼いたします。
おう、じゃあな!
……。
○ ○ ○
毎回松永様からの質問が微妙な気がするのですが、
やっぱり聞かないと駄目なんでしょうか?
え、駄目?
うーん、それも仕事のうちですもんね。
残念ですが頑張ります。
瀬戸内の覇を争うお二方は何やら複雑な事情をお抱えの様子です。
さんでーとはどういう意味なのでしょうか?
長曾我部様は楽しんでいただけているようでした!
ちらりと見えた掛け金も豪快でしたので、
一か八かの勝負に出ているようですね。
反対に毛利様は最後は何やら思案しておられましたが、
果たしてどれほどの追い上げが見られるのでしょうか?
楽しみですね!
ええと……次は武田様ですか。
確か楽しそうな桟敷でしたね。
前田様のところのような、楽しい桟敷だと良いのですが。
あれ、どうされました風魔様?
何かあるのですか?
あ、この桟敷、喧嘩になりそうですね。
早く移動しましょう!
はい。
今度は武田軍の桟敷にやってまいりました。
本日は武田信玄様のほか、
真田幸村様と猿飛佐助様がお見えです。
真田様といえば素晴らしい武人とのお噂。
期待に胸が高鳴りますね!
○ ○ ○
あ、
ちゃんじゃなーい、いらっしゃい!
風魔さんもどーも。
やだなー、そんな怖い顔しないでよ。
俺様こう見えても空気は読む方なんだぜ?
あ、お知り合いでしたか?
同業者だからねー。
ささ、座って座って。
暑苦しくってどうしようもなかったんだよね。
……そう仰る割には、お静かなようですが。
……さっきさ、ちょっと勝ちが続いてて二人とも多めに張ったんだよね。
で撃沈、と。
賭けが下手糞なんだよ。
佐助、そう言うお前はどうなのだ!?
俺?
俺はねー、小銭でちまちま勝ってるよ。
ぬう……。
ほらほらー、お館様顔怖いよ?
鬼瓦みたいだから
ちゃん困ってるじゃない。
え、いや、その。
……すまんかったな。
やはり慣れぬことなどするものではないわ。
ははははは。
いえ、楽しんでいただければと思ったのですが、
そうですよね。
負けたら損ですもんね。
良いの良いの!
それが賭けなんだからさ。
お菓子とお茶も用意してるからゆっくりしていってよ!
わあ、ありがとうございます!
……風魔様のは?
何が楽しくて野郎のおやつなんか用意しないと……
って大将の分もあるからそんな顔で見ないでよ。
すまんな、佐助!
わしの分は無いのか。
用意してますよ!
団子ですけどね!
ああ、うちの大将は甘いものに目がなくってさ、
これはそのおすそ分け。
だから気にしないでじゃんじゃん食べて!
佐助さんは?
俺?
俺はいーの。
腹いっぱいだと仕事になんないしね。
ありがと。
そんな優しい
ちゃんに取っておきのお菓子だしちゃう。
何かすみません。
何!?
佐助、某の分は無いのか!?
お客様用だって持ってきたやつだから!
何とか言って下さいよ、お館様。
己の分を弁えよ、幸村ぁっ!
お、お館様ぁっ!!
(略)
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